ブラスプロダクトは経年変化の中で、空気による酸化や、皮脂に触れることで、くすみや黒ずみが現れ、水に濡れると緑青という錆が出ます。
アンティークのような質感は、その空間を豊かに、華やかに、一枚の絵のように演出してくれます。これを味わいとして楽しむことはもちろんですが、磨いてあげることで再び輝きを取り戻します。自然とゆっくり変化し、手間がかかるからこそ、愛着の湧くマテリアルなのです。

メンテナンスの際は必ず手袋をつけて

手袋

作業をする際は、宝石用の白手袋などで作業することをお勧めします。磨くと手が真っ黒になりますし、磨く素材にも皮脂がついてしまうためです。
軍手でも構いませんが、軍手は目が荒く目の跡がついてしまい、さらに滑り止めが付いている軍手は、ゴムの跡がついてしまうのでおすすめしません。

新品のようにピカピカにする方法

研磨剤とマイクロファイバー ピカールなどの研磨剤とウェスなどの古布を使用します。ここではマイクロファイバーを使用しました。Tシャツなど目の細かい布をおすすめします。

ウェスに、ピカールなどの研磨剤を含ませる。ウェスに、ピカールなどの研磨剤を含ませます。

塗布した部分で磨く塗布した部分で磨きます。磨いた後は必ず乾拭きをしてください。メッキ加工されているものは磨きすぎに注意しましょう。

磨きの結果参考写真上面一面だけ磨きました。他と比べて酸化した色味がとれピカピカになっています。

研磨パッドでマットな質感にする方法

金属用の研磨パッド 金属用の研磨パッドで磨きます。目の細かさを選ぶこともできますので、お好みの研磨パッドを選んでください。

ザラザラした面で、擦って研磨ザラザラした面で、擦って研磨します。研磨しているうちに研磨パッドのが磨耗していくので、磨耗したら異なる場所で磨きましょう。

磨いた箇所と磨いて無い箇所の比較 繊維で磨くため、表面にヘアラインという微細な傷がつきます。このために輝度を抑えマットな仕上がりになります。

 

経年変化の味を残しつつ明るくする方法

歯磨き粉と、ウェス 歯磨き粉と、ウェスを使用します。歯磨き粉には研磨材が含まれているので、それを利用します。

ウェスや柔らかい古布を活用ウェスや柔らかい古布に、歯磨き粉をつけ磨きます。みがき終わったら、歯磨き粉を落とすために乾拭きをしてください。

ビフォアー
アフター

左は皮脂や、酸化した曇っている状態です。表面に細かな凹凸がデザインされているようなものは、磨きすぎると風合いが変わってしまいうので、歯磨き粉は程よく曇りが取れ光沢が蘇ります。表面のざらついた加工の風合いも維持できています。

頑固な錆を落としたい

研磨パッドとピカールなどの研磨 研磨パッドと、ピカールなどの研磨剤を併用すると、楽にくもりや錆を落とすことができます。

研磨剤を塗布した状態で、磨く研磨パッドにピカールなどの研磨剤を塗布した状態で、磨いてください。

錆の比較画像研磨パッドだけで磨くよりも楽に錆が落とせ、よりピカピカになります。

 

細かな傷を軽減したい

金属用のコンパウンド 金属の傷を落とすには、かなり研磨をしなければならないため、風合いとの兼ね合いに寄りますが、金属用のコンパウンドを使うことにより、軽減されます。

指で磨くコンパウンドを手袋に直接付け、指で磨きます。なるべく均等な力加減で磨きましょう。磨き終わったら乾拭きをしてください。

ビフォアー
アフター

目立っていた傷が軽減され、酸化による曇りと変色がなくなりピカピカになりました。

凹凸のある箇所を磨きたい。

豚毛のブラシ
磨き例

凹凸がある箇所は、豚毛のブラシにピカールなどの研磨剤を付けて磨くと磨きやすくなります。